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成長のチャンスを奪う「優しさ」は本当に優しさなのか?

最近、「ホワイトハラスメント」というまた新しいハラスメントワードを聞きました。
パワハラやモラハラのように相手を傷つける行為ではなく、相手を思いやるあまり、結果として成長の機会を奪ってしまうことを指すそうです。
最初にこの言葉を聞いたとき、私は少し複雑な気持ちになりました。
なぜなら、キャリアコンサルタントとして多くの人の成長を見てきた経験から、「優しさ」と「成長」の関係について考えさせられたからです。

ホワイトハラスメントとは何か

例えばこんな場面です。

  • 失敗させたくないから重要な仕事を任せない

  • 負担をかけたくないから難しい課題を与えない

  • 傷つけたくないから改善点を伝えない

  • 大変そうだから挑戦の機会を見送る

どれも相手を思っての行動です。
決して悪意があるわけではありません。
むしろ「優しい上司」「気遣いのできる先輩」と評価されるかもしれません。
しかし、その優しさが相手の成長機会を奪ってしまうとしたらどうでしょうか。


私自身も失敗から学んできた

私はこれまで転職を9回、起業も3回経験してきました。
正直なところ、そのうち何度かはできることなら避けたかった経験もあります。
ですが今振り返ると、その経験が今の私を作ってくれました。
会社員として働いていた頃には見えなかった景色。
経営者になって初めて分かった責任の重さ。
思うようにいかない現実。
人との関わり方。
そして、自分自身と向き合うことの大切さ。
もし誰かが、
「失敗しそうだからやめておこう」
「大変だから挑戦しない方がいい」
と言って私からその機会を取り上げていたら、今の私はいなかったと思います。


人は「少し背伸びした経験」で成長する

キャリア支援の現場で多くの方と接していると感じることがあります。
人が大きく成長するときは、たいてい少し背伸びをしたときです。
初めてのリーダー職。
未経験の業務。
大勢の前でのプレゼン。
転職や異動。
独立や起業。
最初から自信満々だった人はほとんどいません。
不安を抱えながらも挑戦し、その経験を通じて成長していきます。
本を読むだけでは得られない学びがあります。
セミナーを受けるだけでは身につかない力があります。
実際にやってみて、失敗して、振り返って、また挑戦する。
その繰り返しが人を成長させるのだと思います。


若い世代は本当に挑戦したくないのか?

最近、「今の若い人は責任を負いたがらない」といった声を聞くことがあります。
しかし、私が研修やキャリア面談で接する若い世代は少し違います。
彼ら、彼女たちは決して楽をしたいわけではありません。
むしろ、
「もっと任せてほしい」
「自分の力を試したい」
「成長したい」
という気持ちを持っている人がたくさんいます。
ところが周囲が、
「まだ早い」
「失敗したらかわいそう」
「負担になるからやめておこう」
と判断し、機会を与えないことがあります。
これは本人を守っているようでいて、実は本人の可能性を信じていないことにもつながるのではないでしょうか。


自己肯定感は挑戦の中で育つ

私は自己肯定感とは、
「たとえ失敗と思える経験をしても、必ずに次につながると思えること」
だと考えています。
失敗しないことでもありません。
失敗しても、
うまくいかなくても、
思い通りにならなくても、
「それでも自分は大丈夫」
と思える力です。
そして、その力は挑戦の経験の中で育まれます。
挑戦しなければ失敗もしません。
しかし同時に、自信も育ちません。
成功体験だけではなく、
失敗を乗り越えた経験もまた、自己肯定感の大切な土台になるのです。


本当の優しさとは何だろう

もちろん、無理をさせれば良いという話ではありません。
放任することとも違います。
大切なのは、
「挑戦する機会を与えること」
そして、
「困ったときには支えること」
この両方ではないでしょうか。
失敗させないことよりも、失敗しても立ち上がれる環境を作ること。
その方が、長い目で見れば相手のためになると私は思います。


おわりに

ホワイトハラスメントという言葉をきっかけに、改めて「優しさ」について考えてみました。
相手を思う気持ちは大切です。
しかし、その優しさが成長の機会を奪ってしまっていないか。
部下に対しても、
後輩に対しても、
子どもに対しても、
そして自分自身に対しても。
本当の優しさとは何なのか。
私自身も問い続けていきたいと思います。
皆さんはどう思いますか?
大切な人に対して、優しさのつもりで成長の機会を奪ってしまった経験はありませんか?
よければ、皆さんの経験や意見をコメントにて聞かせてくれたら嬉しいです。

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株式会社キャリアクリエイティブ代表取締役/国家資格キャリアコンサルタント。 愛知県岡崎市出身。法政大学卒業後、株式会社デンソーに13年間勤務。外資系自動車部品メーカーやドイツでの海外勤務など、多様な環境でキャリアを重ねる。 2017年に株式会社キャリアクリエイティブを設立。「人はいつからでも変われる」を信念に、企業の人材育成・組織改革支援、キャリア研修、採用支援、教育機関でのキャリア教育などを展開。 9回の転職と3度の起業を経験。著書『読むだけで人生が変わる「すぐやる」思考術』(白夜書房)は紀伊國屋書店週間ランキング2週連続2位を獲得。 現在は、企業研修や「河原塾」を通じて、自立型人材の育成を支援している。

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